最高消費電力300Wのシステムで600Wの電源と1000Wの電源、どっちが長持ちすると思いますか?
何故か「大きいに越した事は無い」という風潮のある電源ユニット。
実は大きすぎると逆に寿命が短くなる可能性が。
高いお金を払って大きい電源にしたのに寿命が短くなったら悲しいですよね。
大きすぎる電源は逆に故障率を上げる可能性がある事を説明します。
目次
・大きいほうが寿命が短い場合がある
最大消費電力300Wにシステムにおいて、同じ変換効率を持つ600Wの電源と1000Wを比較した場合、内部部品が一緒なら600Wの方が長持ちします。
なぜなら1000Wを負荷率30%で使用するより、600Wを50%で使用したほうが変換効率が良いからです。
・寿命で大事なのは負荷率ではなく消費電力と変換効率
これを勘違いしてる人が多いのではないのでしょうか?
負荷率30%と負荷率50%。負荷率30%の方が長持ちしそうですよね?
負荷率という名称から高ければ高いほど電源への負担が大きいように見えます。
しかし、電気エネルギーを消費してるのはCPU等のシステムであり、電源ユニットは変換をしているだけです。
そう、通常使用で大事なのは負荷率よりも変換効率なのです。
・変換効率が良いほど熱の発生量がすくない
電源ユニットがコンセントからの電力をPC用に変換する際、コンセントからの電力すべてがPC用に変換されるわけではありません。
どうしても変換時にロスが発生し、このロスした電力は熱に変わります。
そして変換時にロスなく変換できるかを示すのが変換効率。
同じ電力を使用する場合は、その電力での変換効率が良いほど電源ユニットで発生する熱は少なくなるのです。
・同じ消費電力なら負荷率が50%に近いほど変換効率が良い
PC用電源ユニットは負荷率が50%に近いほど効率が良くなります。
容量が大きすぎる電源ユニットはこの負荷率が50%から離れていってしまうのです。
もちろん低すぎてもダメですよ。
なので、300Wの消費なら負荷50%の600W電源のほうが1000W電源より変換効率が高く、発熱量が少ないのです。
・電源ユニットの寿命のポイントはコンデンサ
電源ユニットの故障で多いのがコンデンサと冷却ファンです。
そして、そのコンデンサの寿命を左右するのが温度なのです。
ちなみコンデンサは周囲の温度が10℃上がるごとに寿命は半減する法則があります。
参考:https://seihin-sekkei.com/method/10-2/
(あくまで目安。厳密にはその他の要因も含まれるので、まんま2倍ではないのですが・・・)
・コンデンサは同グレードであれば容量が変わっても同じ事が多い
全てのシリーズがそうとは言えませんが、同じメーカーの同じシリーズなら容量に相当な差がない限り同じコンデンサを使用していることが多いです。
Seasonicの例
ちなみにみんな大好きSeasonicさんに聞いてみたところ、SSR-850PX(850W)とSSR-650PX(650W)に関して出力容量以外に違いはなく、内部部品の耐久性は変わらないとの回答をいただきました。
内部の耐久性が同じなら、発熱が低いほうが寿命が長いですよね?
・まとめ
.同じ消費電力なら電源ユニットの負荷が50%に近いほど発熱が少なくなる
・大きすぎる電源は負荷が50%から離れすぎて発熱が大きくなる
・同じシリーズなら電源ユニットの容量で部品の耐久性は変わらないことがある
・耐久性が同じなら発熱の大きい電源ユニットが寿命が短い
なので丁度いいサイズの電源を選びましょうね!
というか電源メーカーも大きければいいという風潮を否定してください!
関連:いいくらいの電源容量に対する当サイトの考え
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