m.2 SSDにはチップ側にシールが貼られています。
ヒートシンクをつける際にこのシールのせいで冷却効率が落ちるのでは?という事で
未だに剥がす剥がさない論争が起きます。
今回はシールを剥がすデメリットやメリット(温度の変化)を解説します。
目次
シールを剥がすデメリット
保証が切れる
全てのメーカーがそうかは分かりませんが、基本的に保証が切れます。
代理店がわざわざ「保証切れます」と乗せるレベルです→askのQ&A
SAMSUNGでも「いかなる改造・改変も保証は無効」と記載しています。→SAMSUNGのFAQs
WDのBLACKやSAMSUNGの970EVO等は5年も保証がありますが、シールを剥がすとその保証が受けられなくなります。
チップごと剥がして破損させる
時折Twitterでも見かけますが、シールを剥がす際に無理やり剥がそうとしてチップごと基板から剥がしてしまい
破損させてしまう恐れがあります。
そこそこ強い接着剤が使われているようで力任せに引っ張ると破損してしまうようです。
もちろん保証も受けられません。
保証が受けられないどころか使い物にならなくなるリスクがあることに注意!
そもそもシールの熱伝導性は良い?
これもメーカー・製品によりますが、チップに貼られたシールは熱伝導性が高いものが使われていたりシール自体がかなり薄いので遮熱性が薄いです。
さらに製品によってはシール兼ヒートスプレッダだったりもします。
なのでそもそも気にする必要が無いかもしれません。
シールを剥がすメリットを検証
シールを剥がすのは「ヒートシンク(のサーマルパッド)とM.2 SSDのチップを直接接触させてもっと冷やしたい」、これにつきます。
そこで実際にシールありと無しで温度がどれくらい変わるか検証してみました。
使用SSD
売れ筋m.2 SSDの中でもそこそこ熱くなりそうなSAMSUNGの970EVO PLUSを使用します。
ちなみに買ったばかりの1TB(18,000円)です!
裏側には銅箔タイプのシールが貼られていますが表側は普通のシールに見えました。
テスト機材
パーツ | メーカー | 型式 |
マザーボード | ASUS | TUF B550-PLUS |
CPU | AMD | Ryzen 5 5600X |
GPU | ZOTAC | RTX3070 TwinEdge |
メモリ | SAMSUNG | DDR4 3200MHz 8GB×2 |
SSD | SAMSUNG | 970 EVO PLUS 1TB |
電源 | CoolerMaster | V850 |
ケース | Streacom | BC-1 |
ヒートシンクにはマザーボード付属の物を使用します。
この構成でシール有りとシールを剥がした状態での温度を比較します。
ちなみに970EVOのシールは超簡単に剥がれました。
特に熱伝導性の高い素材とかでなく紙シールだと思いますが、かなり薄いです。
検証と結果
200GBのデータを書き込みを使用した際の温度は以下の通り。
温度はHW Infoでのセンサー読みになります。
せっかくなのでヒートシンクなしの状態も図りました。
誤差レベルともいえる温度差
シール有りと無しで最大温度で2℃差がでました。
割合にすると3~4%くらいですね。誤差と言ってもいいレベルだと思います。
この為に保証を捨ててまでシールを剥がすかと言われると・・・
シール剥がすよりエアフローを改善すべき
シールを剥がしていない状態でヒートシンクに120mmファンを600rpmで回して、ゆるーく風を当ててみたところ温度が
63℃→55℃
と8℃の低下となりました。シールを剥がすよりもはるかに効果が高いので、それよりもエアフローを見直す方が先だといえるでしょう。
結論:剥がす必要はかなり薄い
シールを剥がす効果はかなり薄いです。
それでいて保証がなくなる・剥がそうとして破損させるリスクが伴います。
どうしても温度を下げたい場合にはエアフローを見直した方がリスクなく効果も高いと思うので、
極限まで温度を下げたいというMrストイックな方以外は剥がす必要はないでしょう。
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