新しく出たA520の中でも数少ないITXマザーなAsrock A520M ITX/ACをレビューします。
実売14,000円ながら充実のマザーです。
目次
仕様
フォームファクタ | MINI-ITX |
ソケット | AM4 |
対応CPU | Ryzen3000シリーズ(APUを除く) |
Ryzen 4000APU | |
メモリスロット | 2スロット |
ストレージ用スロット | SATA×4 M.2×1(PCIE3.0) |
拡張スロット | PCIE3.0×1 |
映像出力 | DP1.4×1 HDMI2.1×1 |
ラティング機能 | ARGB×1 RGB×1 |
ファンヘッダー | CPU×1 ケース×2 |
LAN | Realtek RTL8111H |
無線LAN | Intel® 802.11ac WiFi |
対応CPUについて
Ryzen3000シリーズと4000シリーズAPU(Renoir)に対応しています。
3000シリーズのAPU(3200Gと3400G)には対応していない点に注意。
2000シリーズ以前に対応していないのはUEFIの容量的な問題かと思われます。
B550版とかなり同じ
ASRockからはB550でもITXマザーが発売されています。
左がA520、右がB550
間違い探しレベルで違いが殆どありません。
実際、機能としてもほぼ同じです。価格差は6,000円くらい。
A520はPCIEがGEN3なのと、CPUのオーバークロックができない点が問題なければA520が良いですね。
付属品一覧
ドライバディスク
背面パネルカバー
日本語マニュアル
SATAケーブル(2本)
Wifiアンテナ
これらが付属しています。
特筆すべきはマニュアルで、完全日本語で80ページ以上の厚いマニュアルになっています。
初心者でも安心。
背面I/O
映像出力はDP1.4とHDMI2.1。
USB-Aが5個とUSB-Cが1個。個人的にはCはまだ要らないかなと。Aが5個だと結構足りなくなります。
PS/2ポートがあるので古いキーボードマウスも使えます。
オーディオは流石に光デジタルは無し。
そこそこ充実の装備
WIFI
最近はITXだと搭載している場合が多いですが、14,000円前後のローエンドに搭載してるのはうれしいです。
ライティング
RGB,ARGBの両方とも装備しています。
低価格帯だとARGBが無かったりするので両方ついてるのは〇
ヒートシンク
低価格モデルながらCPU用電源回りとM.2スロットの両方にヒートシンクが付いています。
CPU側は大型ではないですが重量感があります。
M.2側も同じく重量感があり、裏側にもついたフルアーマータイプとなっています。
裏側はサーマルパッドもなくて片面実装なM.2 SSDおいても接地しないので、冷却効果は不明です。
UEFI(BIOS)について
UEFI(BIOS)を見ていきます。
EZモードがない
いわゆるEZモード(簡易モード)がありません。おそらくROM容量の関係。
自分はなくても困りませんが、初心者の方にはやっぱりあったほうが良いかなとは思います。
XMPを設定するにもちょっと手間ですからね。
ショートッカットキーの表示がない
F10で終了、F12でスクリーンショット等は行えますが、その表示は画面上にありません。
慣れてる人はいいですが、わからない場合はいちいちメニューを切り替えて終了することになるので表示して欲しかったですね。
ちょっと不親切。
日本語ばっちり
言語表示を日本語にすれば殆ど隅々まで日本語になります。
直訳ではなくきちんと日本語化されてて分かりやすいですね。
ファンコン
分かりやすいグラフィカルな画面でファンの回転数を制御できます。
他メーカーの直感的でない文字と数字だけのメニューよりはこちらが好きです。
一応このマザーにも文字と数字だけのメニューもありますが。
ライティングソフトで一苦労
あまり良い話を聞かないASRockのライティングソフトのPOLYCHROME。
OSをクリーンインストールした状態でインストールしましたが・・・
この画面で止まります。この間OSの操作ができません。
15~20分ほど放置すると起動しました。
動作自体はARGB,RGB同時に制御してみましたが問題なく動いていました。
ただ、毎度起動に時間がかかる&操作不能になるので困りもの。
ASRock公式Twitterが反応してくれて色々試した結果、OSのストレージをM.2 SATAから2.5インチのSSDに変えて再インストールすると問題は解消されました。
いや、訳わからない・・・
OSのインストールが完ぺきではなかったんでしょうか??
よくわからんが、動いてるのでヨシ!って感じにしときます。
ソフト自体は普通です。
ちなみに一部のASRockマザーにはBIOS側でライティング制御できる機能がついてますが、
このモデルはBIOS ROMの容量の関係なのかその機能が使えません。
VRM温度テスト
Ryzen7 3700Xを使用して連続負荷時のVRM(電源)回路の発熱を検証。
検証環境は以下の通り
CPU | AMD | Ryzen7 3700X |
CPUクーラー | Wraith Prism(3700X付属) | |
グラフィックボード | ASUS | GT710 |
マザーボード | ASRock | A520M ITX/AC |
メモリ | GSkill | SniperX 3600(XMP適用) |
ストレージ | WD | WD BLUE M.2 |
電源ユニット | Corsair | RM1000X |
ケース | STREACOM | BC1 |
ベンチ台の上でトップフロー式のクーラーがついている好条件の下での検証。
ケースに入れて水冷クーラーを使用する場合は検証結果よりも温度が高そうです。
この構成でOCCTで15分間CPU使用率を100%に。
VRM周辺の最大温度を非接触式温度計で確認。
結果は・・・
最大で67℃(室温33℃)
思ったよりも冷えていますね。
以前安物のB450で同じようなテストをしたときは80℃手前まで行っていたので
それに比べれば十分かなと思います。
CPUクロックもVRMの過熱で下がるようなこともなく4.1GHz手前をキープしていました。
メモリ安定性について
安物のGSkill SniperX 3600のオーバクロック設定(3600MHz CL19)をONにしましたが問題なく起動。
そのままクロックだけ3800MHzにしても問題なし。
そして4000MHzもまさかの起動。
この安物メモリ、今まで4000MHzで起動できた事がなかったので驚き。
ITXマザーはメモリに強い場合が多いですが、このマザーもメモリの安定性はよさそうです。
ZEN2で4000MHzを起動する意味は薄いですけどね。
安定性について
Windows10のインストールもスムーズ、いくつか負荷をかけて遊んでみましたが特に不安定になることも無し。
コンセントを抜いの起動も何度かしましたが変に起動失敗することもなかったですね。
まとめ
良かった点
・安いわりに機能十分
・VRM結構冷える
・メモリ安定してる
良くない点
・UEFIがちょっと不親切
・ライティングソフトがスペランカー?
・USB BIOSがないのでZEN3で買うのはちょっと心配
実売1.4万円のわりには機能・性能どれも素晴らしいと思います。
WIFI・映像出力・冷却性能と申し分ありません。
ただCMOSクリアボタンやUSB BIOS FlashBack等の上位機能がない点は惜しい。
特にUSB BIOS FlashBackは未発売のCPUであるZEN3等を使用する場合には重宝するので欲しかった。
後はライティングソフトには若干不安があるので、気になる人は外部コントローラーを使うのもありかもしれません。
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