1万円代のZen2としてRyzen5 3500が発売されました。
同価格帯でコスパモンスターとして敵なしだったCore i5 9400Fの牙城を崩せるか、比較レビューしてみました
動画版レビューもあります
目次
仕様
メーカー名 | AMD | Intel |
モデル名 | Ryzen 3500 | Core i5 9400F |
製造プロセス | 7nm | 14nm |
コア数 | 6 | 6 |
スレッド数 | 6 | 6 |
ベースクロック | 3.6GHz | 2.9GHz |
ブースト最大クロック | 4.1GHz | 4.1GHz |
グラフィック機能 | × | × |
CPUクーラー | 有り(Wraith Stelth) | 有り |
TDP | 65W | 65W |
メモリ定格周波数 | 3200MHz | 2666MHz |
PCI-E | 4.0(X570使用時以外は3.0) | 3 |
オーバークロック | 可 | 不可 |
9400Fとは内蔵グラフィック無の6コア6スレッド同士で仕様は近いです。
プロセスルールが倍違うのが非常に切ない。
Ryzen5 3600との違いは主にSMT
1個上のモデルであるRyzen5 3600との違いは主にスレッド数。
3600が12スレッドなのに対し3500は6スレッド。
1コアで2スレッド処理する機能であるSMTが使用不可になっている為です。
その他にキャッシュ容量が半減しています。
3500Xという国内で正規取り扱いのないモデルはこのキャッシュも3600と同じになっています。
内蔵グラフィックは無し
型番最後にGが無い場合はグラフィック機能はありません。
別途グラフィックボードを用意する必要があります。
9400FのFもグラフィック機能が無い事を示し、こちらも別途グラフィックボードが必要です。
ゲーミングならグラフィックボードは前提になるので特に問題ありませんが、事務用と等で使用する場合は注意しましょう。
付属クーラー
Ryzen 3500にはWraith StealthというCPUクーラーが付属しています。
90mmファンのトップフロー式で、光ったりはしません。
9400Fにもintel特有のダサいクーラー(写真右)がついています。
見た目的には3500付属のクーラーの方がカッコいいですね。
ちなみにどちらのクーラーも煩いです。
対応マザーについて
Ryzen3000シリーズなのでソケットAM4のマザーボードならBIOSのバージョン次第で対応しています。
3000シリーズと同時に発売されたX570マザーボードはBIOSバージョンを気にしなくてよいですが、A320,B450,X370,X470に関してはRyzen3000シリーズ対応のBIOSになっているか注意しましょう。
対応BIOS搭載モデルには下のようなシールが貼られています。(貼られてなくても対応してたりもしますが
TDP65Wと低負荷に分類されるので激安マザーでも大丈夫かと思います。
PCI-E4.0を使用したいならX570マザーが必要になりますが、普通にゲーミングで使うならB450辺りがオススメです。
製品指定するならASUS TUF B450 Plus Gamingとか安くていいですね。
こちらのモデルで負荷テストをしましたが、電源回路の発熱等も問題なく使用できました。
関連:ASUS TUF B450M-PLUS GAMINGをレビュー ZEN2 3700Xでの使用感 – 浅く広くPCゲーミング
対応メモリについて
Ryzen 3000シリーズは3200MHzまでのDDR4メモリに対応していますが、メモリの動作にはマザーボード側の性能も関係し、X570以外のマザーボードは殆ど3200MHzに対応していません。
B450でも3200MHz動く可能性は高いではありますが、万が一動かない場合に保証外扱いになりますので手動で設定できない人は素直に2666MHzを使用したほうがいいでしょう。
関連:
Zen2のメモリが3600MHzが最適な理由,B450マザーボードでの使用とオススメのOCメモリ|あさひろげー – 浅く広くPCゲーミング
性能比較
9400Fを比較対象として、実際の性能を比較してみましょう。
使用機材は以下の通りで、なるべく同じ条件になるようにしています。
テスト構成 | ||
CPU | Ryzen 3500 | Core i5 9400F |
CPUクーラー | CPU付属品(Wraith Stealth) | CPU付属品 |
GPU | GIGABYTE AOURS RTX2080 SUPER | |
メモリ | GSkill SniperX 3600((2666MHz CL16で使用) 8GB×2 | |
マザーボード | ASUS TUF B450M Plus Gaming | ASUS Prime Z390-Q |
SSD | シリコンパワー 512GB | |
電源 | Corsair RM1000X |
価格帯を考慮し、両者とも各CPU付属のクーラーを使用しています。
Cinebench R15
何故かCPUの性能指標でよく使われるシネベンチのスコア
CINEMAというソフトでのレンダリングの速度なのでこれですべての優劣が決まるわけではない点は注意。
シングル・マルチともに9400Fを上回っています。
Cinebench R20
こちらは最新版
ここでも9400Fに1割程度の差をつけて勝っています。
AMDが強いといわれるCinebenchなので当然といえば当然な結果。
ゲーム系ベンチマーク
FF14
AMD有利なCinebenchに対し、Intel有利といわれるFFのベンチマーク。
FHDの最高品質フルスクリーンで測定。
FF15
14・15共に9400Fが強めに差をつけて勝利しました。
それでも苦手FFベンチで食らいついてるほうかとは思います。
R6S RainbowSixSiege
ビデオ設定のベンチマークにて計測
若干9400Fの方が平均fpsが高いです。
実ゲーム中fps
計測条件がぶれないように、ある地点からある地点での移動時のfpsを計測しています。
戦闘等は行っていないので実際のプレイだと検証よりfpsは下がると思います。
Fortnite
FHDフルスクリーンのエピック画質にて計測
ほぼ互角のfpsが出ています。
APEX Legends
トレーニングモードにて開始地点からまっすぐ走って計測。
垂直同期はOFFでそれ以外は最高設定。
5%程度9400Fが上回りました。
PUBG
トレーニングモードの島の端っこを走って計測。
こちらも5%程度9400Fが勝っています。
ゲーム性能は9400Fとほぼ互角
付属クーラーや格安メモリを使用した環境でのゲーム性能だと9400Fとほぼ互角といえるレベルです。
メモリクロックを上げて冷却を強くすれば3500はもっとfpsが出るかもしれませんが、今回の検証機材ではこのような結果になりました。
高性能なメモリやクーラーで試してもいいんですが、そこに回すお金あったらCPUのランクを上げたほうがry
付属クーラーでの温度について
室温20℃にて3500を付属のWraith Stealthを使い負荷をかけた状態での温度を確認します。
負荷をかけるソフトはOCCTというソフトです。
負荷をかけて5分で80℃に達しました。
Ryzenは温度が上がるとすぐにクロックが落ち始めます。
60℃を越えるまでは4GHz出ていますが、80℃では3.8GHzまで低下します。
室温20℃でこれですと真夏での使用も考えると、付属クーラーでは少し不安が残ります。
サイズの白虎あたりに換装すると温度の心配もなく音も静かで良さそうです。
関連:【比較あり】定番CPUクーラーのAMD専用版「Scythe 白虎 弐 SCBYK-2000A」をレビュー
9400Fは負荷をかけても68℃程度で温度上昇は止まります。
クロックも常時3.9GHzをキープ。
intelのCPUはよほど熱くならないと温度低下しないですね。
こちらは付属のクーラーで十分ですね。
合わせたいグラフィックボード
プレイするゲームにもよりますが、一般論で言えば
GTX1660 SUPER~RTX2060 SUPERあたりがオススメです。
テストではRTX2080SUPERを使用していますが、GPUへの負荷が高い最高画質でもCPU使用率か先に100%になるのが見られ、足を引っ張る可能性がありました。
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まとめ
・格安構成だとゲーム性能は9400Fとほぼ互角
・B450マザーボードでも無理なく使える
・ゲームで考えると3600よりコスパは良い
・次期Ryzenとの換装も狙える
・リテールでも冷えなくもないがちょっと熱い
9400Fより僅かに格安で、ほぼ同じゲーム性能を擁しているのが大きいです。
9400Fより5~10%程度ゲーム性能が高い3600と比較して1万円近く価格が安い点を考えるとコスパの良さが分かるかと思います。
B450の激安マザーボードでも無理なく使用できその点でも費用を抑えられ、グラフィックボードに予算を回せます。
また、X570マザーボード等電源回路の強いマザーボードと組み合わせて、年末に出るといわれている次期Ryzenとの換装を狙うのもアリですね。
格安でゲーミング特化なPCを組む際に9400Fの独壇場だった1万円台のCPU。
AMDの選択肢が出てきたことでかなり面白くなったんではないでしょうか。
ちなみに9400Fと迷ってる人には「好きなメーカーの方」という回答になると思います。
関連:Ryzen5 3500とRTX2060 SUPERで組む12万円ゲーミングPC ベンチマーク等まとめ – 浅く広くPCゲーミング
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