前回書いたCore i3 9350KFのレビューにて、「オーバークロックなしだとコスパは悪い」と書きました。
それでは実際にオーバークロックでどの程度性能が伸びるのか、実際にオーバークロックして9700Kとの各種スコアを比較してみました。
※オーバークロック初心者が書いた文章です。オーバークロック自体、保証がなくなる行為ですし真似して壊れても責任は取れません。オーバークロックは自己責任!
目次
9350KFについて
レビューを読んで貰えばわかりますが、9350KFは1個下に9100Fというモデルがあり、性能差15%程度に対して価格は倍近いとコスパがイマイチ宜しくない。
9100Fが優秀すぎるのもあるが、やはりK付きのCPUはオーバークロックしてこそ最高の性能を引き出せるのが魅力です。
使用したパーツ構成
オーバークロックでは強度の高いパーツの使用が推奨されますが、今回はとりあえず気軽に上げられる範囲までという事で、超適当なパーツを使用しています。
オーバークロックにお金かけるくらいなら、最初からCPUのグレード上げろ派です。
CPUクーラー:Cooler Master Hyper 212 EVO
9350KF買ったときにセールしてたから買ったクーラーです。
定番の虎徹Mark2クラスの冷却性能のようです。
取り付け難さや各パーツがオイルまみれだったので個人的に評価はイマイチ。
冷却は普通に使う分には十分。
セールでもなければ虎徹Mark2がオススメ。
マザーボード:Asrock Z370M Pro4
オーバークロックするならチップセットがZ付のマザーボードが必要です。
第9世代なのでZ390かZ370(BIOSアップデートが必要)の二つが対応しています。
店頭で6,980円という謎の激安だったので購入しました。
Z370なのでBIOSのバージョンによっては第9世代が起動できないが、「第9世代対応BIOS」とシールが貼られていたのでこちらにしました。
一応、電源周りが強い!とのポップが貼られていたのもポイントです。
本当はMSIのGAMING EDGEが欲しかったんですが、店頭で価格見て揺れてしまいました。
メモリ:シリコンパワー DDR4-2666(PC4-21300)
なんの変哲もない格安メモリです。
セールで買ったものを使いまわしてます。
電源ユニット:Cooler Master MWE Gold 550
何の変哲もない550W電源。これもセール品で5,000円でした。
ケースファン
ケース背面に排気1個、フロントに2個の吸気で120mmファンを設置しています。
その他のパーツ
グラボにはGTX1080とストレージにはSSDを使用しています。
オーバークロックとの関係性が低いので細かい紹介は省きます。
以上のように、特別なパーツは使用していません。
強いて言うならマザーボードはZ付きがチップセットが必要なのでそこだけですかね。
それも通常時で1万円前後の廉価品ですが。
オーバークロック手順
自分自身オーバークロックは素人なので大まかな設定だけ触ってます。
今回はAsrockのZ370M Pro4での手順です。
マザーボードによって細かい手順は変わりますが、大まかな流れはわかると思いますので参考までにどうぞ
UEFIを起動
PC起動する際に「DEL」や「F2」キー(メーカーによっては違うキーかも)を連打しながら起動するとUEFIが起動します。
詳細モードへ
初期状態だと、起動時は簡単モードという表示になっていますが、これだとオーバークロック等の設定は触れません。
右上のボタンをクリックして詳細モードに移行します。
OCツールを選択し
CPUの設定へ
CPUレシオを自動から
すべてのコアに変更
「すべてのコア」を選択することで全コアをまとめて手動で設定できるようになります。
設定すると、すぐ下に「All Core」という項目が出ます。初期は「40」になっています。
この40という数値は倍率です。
ベースクロック(BCLK)の100MHzにこの倍率を掛けたものが実際の動作クロックになります。
初期の40だと40×100MHz=4.0GHzで9350Kのターボブースト抜きで考えた定格動作クロックになります。
つまり、この倍率を変更すれば動作クロックを変更できます。
50にすれば5.0GHzです。
もちろん、ただ5.0GHzにしてもすんなり動いたりしませんが・・・
画像にあるように、とりあえず48にして4.8GHzにしてみましたところ、それだけですんなり起動しました。
実際にクロックが上がっているか確認するにはOCCT等を使うとよいと思います。(画像は9700Kをオーバークロックした時のものです)
その後、49にして4.9Ghzもすんなり起動。
が、50にして5.0GHzにするとWindowsの起動途中でフリーズしてしまいました。
ここからはちょっと危険なので細かい説明は省きますが、電圧をコア電圧を1.37Vにすると起動できました。
Windows自体の起動はできましたが、ベンチマークを走らせると一部のベンチでフリーズしたため、結局1.395Vまで盛ると安定しました。
※電圧の変更はパーツの故障のリスクが高い行為です。しっかりと理解せずにやるのは危険です。
おそらく他にも設定次第でもっと電圧を落として安定させることはできるかもと思いますが、とりあえず初心者の自分でも特別なパーツを使用せずに5.0GHz動作させる事が出来ました。
安定性について
全コア5.0GHzの1.395V、実用上は安定しています。
Cinebench,Geekbench、FF14・15のベンチマークの他、実際にゲームして半日ほど使用しましたがフリーズ等はありませんでした。
が、普段負荷テストで使用しているOCCTのCPU負荷テストは全然ダメでした。
テスト開始して数秒でフリーズしています。
Twitterで「電圧を盛るなどすればいけるけど普通に使えてるなら気にしなくてよい」と教わったので、気にしないことにしました。
ありがとうございました。
性能チェック
定格の9700Kと9350KF、5.0GHzの9350KFで比較しました。
使用構成は全て一緒です。
CPU用ベンチマーク
Cinebench R15
CPUの性能を見る定番ベンチマーク
コア単体の性能を見るシングル、全てのコアを使用してCPU全体の性能を見るマルチの2種類があります。ちなみに上の画像は5.1GHzまで頑張ってみた時の。
シングル
はい、早速勝ちました!
といってもコア単体で僅差ですが。
9700Kがシングル最高4.7GHzに対して、5.0GHzですからね。
マルチ
コア数の差が効くマルチは流石に勝てないですね。
もちろん定格9350KFよりは上昇していますが。
Geekbench4
こちらもCPUの性能を見るベンチ。同じくシングルとマルチがあります。
シングル
マルチ
Cinebenchと同じく、シングルは僅差で9700Kを上回り、マルチは圧敗といったかんじです。
ゲーム系ベンチ
基本性能を見るベンチではシングルで上回りましたが、ゲーム性能ではどうでしょうか?
ゲーム系のベンチマークソフトを使用して検証します。
ちなみにグラフィックボードはGTX1080なので、一部のゲームではグラフィックボードがネックになっている可能性があります。
FF15ベンチマーク
FF15の動作環境チェック用のベンチマーク。
FHDフルスクリーンの標準品質と高品質で測定。
標準画質
ほぼほぼ誤差レベルで9700Kに勝っってます。
が、定格ともそれほど差がないのを見るに、単にグラフィックボードがネックかなと思います。
高品質
高品質だと何故か定格よりも下回りました。
何度かやりましたけど、わずかに下回りますね。
何故かは不明。
FF14 漆黒のヴィランズベンチマーク
FF14のベンチマーク。FHDフルスクリーンです。
コア数をそれほど使わないので、いい勝負になるかと思いましたが・・・
高品質
最高品質
どちらもごくわずかに届きませんでした。
が、その差は2~3%と大健闘。
定格から13%程度上昇と中々の結果。
レインボーシックスシージ
最近だと軽すぎてスコアが飽和状態のレインボーシックスシージのベンチマーク。
FHDのフルスクリーンで測定。
何故か定格よりも低い結果に。
理由がよくわからない。ベンチ中にクロックが落ちてるわけでもなかったのですが・・・
実ゲーム中fps
実際のゲーム中のfpsを計測して比較します
PUBG
人気バトロワ系。グラフィックの設定をすべて高にしたFHDフルスクリーンにて計測した平均fps。
クロックの差がfpsに反映されやすい印象だったので、期待。
期待通り、平均fpsで9700Kを上回る結果に。
僅差差ではあるが、少なくとも定格よりは10%以上向上しています。
Fortnite
こちらも人気のバトロワ。
意外とCPUへの負荷が高く、ちょっと期待です。
悪くはないですが、思ったよりは伸びず。
どの画質でもそこそこ伸びています。
オーバーウォッチ
比較的軽いオーバーウォッチ。FHDのフルスクリーンにて検証。
9700Kと僅差で負けました。
ベンチ結果まとめ
コア単体の性能では9700Kを抜いていると言えるでしょう。
しかし、実際のゲーム性能ではコア数の差なのか、はたまた他の要因なのが5.0GHzではギリギリ9700Kに及ばないですね。
一部のタイトルでは勝っていますが、特にFF15やR6Sは全てのコアに負荷が掛かっていたためか、イマイチ伸びず。
関連:ゲーミングPCに必要なCPUのコア数は?4コアと8コアでゲーム性能比較 – 浅く広くPCゲーミング
発熱
いつも温度チェックで使用しているOCCTが、使用するとフリーズするため実ゲーム中の温度を監視しました。
えー、熱いです。
画像はPUBGですが、FF15で全コア100%を維持した場合は最高で90℃近く達しました。
ミドルサイズの空冷クーラーなので当然といえば当然ですね。
280mmの簡易水冷や、大型空冷クーラーを使用しないと常用するのは怖いです。
4.8GHzだと電圧も自動設定で起動でき温度も80℃未満でした。気軽に使うならそのくらいが無難でしょう。
オススメクーラー
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まとめ
9350KFのオーバークロックについてまとめると
・5.0GHzでも簡単に運用可能
・特にスペシャルなパーツを使用しなくても安定(寿命はわかりませんが)
・ゲームによっては9700Kに迫る
・もちろん冷却をしっかりしないとダメだが、大型空冷でもいけそう
という感じです。
4コアなので将来的にマルチコアをうまく使えるソフトが増えると苦しいですが、クロックでごり押しするというロマンパンチができる楽しいCPUだと思います。
大人しく9600Kや3600Xを買ったほうが丸そうのは秘密です。
コメント
初めまして、自分の石は、5.0MHzhだと電圧1.34~1.355で、安定してます。パッケージ温度で最高が78℃でした。(シネベンチ連続10回起動)5.1~5.2MHzだと、電圧1.38~1.39でした。ベンチなどスコアは、伸びますが、発熱が凄いです。パッケージ温度が90℃を超えてきます。