ようやくi3まで出そろってきたIntelの第9世代CPU。
その中でも9350KFがスペックだけみるとかなり異才を放っていたので、我慢しきれずに購入しました。
手持ちの他のCPUと比較しながらレビューしてみました。
目次
仕様や特徴
仕様
9350KFの他、前後のグレードと第8世代の同グレードを並べました。
CPU型式 | 9350KF | 9400F | 9100F | 8350K |
コア数 | 4コア4スレッド | 6コアスレッド | 4コア4スレッド | 4コア4スレッド |
ベースクロック | 4.0GHz | 2.9GHz | 3.6GHz | 4.0GHz |
ブーストクロック
(シングル最大) |
4.6GHz | 4.1GHz | 4.2GHz | × |
ブーストクロック
(全コア最大) |
4.4 GHz | 3.9GHz | 3.9GHz | × |
キャッシュ | 8MB | 9MB | 6MB | 8MB |
内蔵GPU | × | × | × | 〇 |
TDP | 91W | 65W | 65W | 91W |
オーバークロック | 〇 | × | × | 〇 |
実売(2019年6月現在) | 21500 | 19500 | 12000 | 23500 |
特徴
注目すべきはクロックです。
8350Kの時から高いベースクロックを持っていましたが、そこにターボブーストが追加されました。
結果、1個上のグレードである9400Fよりもシングル・全コア時の両方で最大クロックが0.5GHz高いという仕様に。
さらに言うと、シングル時の最大は9600Kと同じクロックです。
もちろん、コアの数やキャッシュの量などで単純に9400Fと比較するのは難しいですが、9350KFはオーバークロックも可能でさらに伸ばせます。
実売が9350KFの方が高いのをみてもi5だから単純に9400Fが上とは言えなさそうです。
オーバークロック可能
型式の後ろについているアルファベットの「K」。
これはオーバークロックが可能なことを表しています。
正し、オーバークロックには名前が「Z」から始まるチップセットを使用したマザーボードが必要です。
9350KFは第9世代のCPUで、第9世代向けのZつきチップセットは「Z370」「Z390」の二つになります。(Z370で使用する場合はBIOSのアップデートが必要な場合があります)
また、K付きにはCPUクーラーが付属していません。別途用意しましょう。
グラフィックボードが必須
型式の一番後ろについているアルファベットの「F」
FがつくタイプのCPUには内蔵グラフィック機能が使用不可となっています。
なのでこのCPUを使用する場合にはマザーボードの映像出力端子が使用できません。
別途グラフィックボードを用意する必要があります。
性能チェック
各種ベンチマークの数値を確認します。
検証用のPCは以下の通り
CPU:9350KF(比較用に9700Kと9100F)
メモリ:DDR4 2666MHz 16GB(シリコンパワー製)
マザーボード:Z370搭載マザーボード(Asrock Z370M Pro4)
グラフィックボード:GTX1080(GIGABYTE製OCモデル)
SSD:500GB(samsung 860EVO)
電源:650W(玄人志向製ブロンズ)
もしかするとGTX1080では力不足かもしれません。
手持ちの最高がこれしかありません・・・
一般系ベンチ
Cinebench R15
CPUの性能が見れる定番のベンチマーク。
全てのコアの性能を見るマルチとコア単体のシングルの2種類の測定方法があります。
マルチ
マルチのスコアはもちろんコア数の多い9700K(8コア)の圧勝。9100Fとはコア数は4個と一緒ですが、コア単体の性能差で差が開きました。
シングル
コア1個での測定。
ゲーム性能のある程度の指標になります。
9100Fと20%近く差があります。数値上は中々。
Geekbench
同じくCPUの性能を見れるベンチマーク。こちらもシングルとマルチの両方があります。
マルチコア
シングルコア
おおむねCinebenchと同じ感じ。
ゲーム系ベンチ
FF15ベンチマーク
FF15の動作環境確認用ベンチマーク。
結構重めです。
FHDのフルスクリーンモードにて2種類の画質で計測
高画質だとGTX1080だとネックのようで殆ど差が出ません。
標準画質だと9100Fに差をつけて9700Kとかなり肉薄しています。
FF14漆黒のヴィランズベンチマーク
こちらはFF14版。比較的軽めでコアもフルに使用されにくいです。
FHDのフルスクリーンで2種類の画質で検証してます。
比較的軽めでグラフィックボードが足かせにならないのか、9700Kが大きくリード。
9100Fと9350KFは殆ど差が出ませんでした。
9100Fも中々やりますね。
R6Sベンチマーク
FHDフルスクリーンで最高、高、最低の3種類を計測。
最高・中だとあまり差が出ないですね。
最低画質だと9100Fに15%程度差をつけました。
ゲーム中実性能
各タイトルをfrapsを使用してゲーム中のfpsを計測しました。
PUBG
画質設定はすべて高のFHDフルスクリーン
平均で144近く出たが、もうひと伸び欲しかったところ。
Overwatch
画質設定は低と中でFHDフルスクリーンにて比較。
中画質だと9100Fと殆ど差がなかった。
ゲーム性能まとめ
悪くはないのですが、何というか9100Fが強い。
一応、負けることはないしタイトルによってはそれなりに差がついていますが実売が半額に近い9100Fにここまで近づかれるとそのまま使うにはちょっとコスパが悪いかなと思います。
ただ、GTX1080が足を引っ張てる可能性もあるので、グラボのランクを上げればもう少し上がる気もします。
一応、オーバークロック抜きでもそれなりに戦えるのは間違いないですが、4コアという点で将来性に不安を覚えますね。
「配信等をしないのであれば、悪くはない」といった感じで。
オーバークロックしないと損
ゲーム性能の部分でも触れましたが、オーバークロックしないと勿体ないですね。
通常オールコアで4.4GHzで動作しますが、4.8GHzくらいなら特に設定触らなくても動きます。大きめの空冷クーラーでも常用できるかなと思います。
自分はオーバークロック素人ですが、検証で使用したのと同じ上記の構成で電圧を1.37まで盛るだけで5.1GHzでベンチマーク完走はしました。
もちろん発熱はそれなりにありますが。
ちなみに5.0GHzで一部のタイトルでは9700K(4.6GHz)よりフレームレートは伸びました。
関連:Core i3 9350KFをAsrockマザーでオーバークロック。初心者でも簡単5GHzで9700K超えを目指してみる – 浅く広くPCゲーミング
組み合わせたいパーツ
9350KFにオススメマザー
オーバークロックモデルなのでZ390と組み合わせればオーバークロック可能です。
しかし高価格なマザーを使うほどかといわれると、その金で9600Kを買ったほうが幸せなので1万前半の廉価帯のZ390をがオススメです。
ちなみに安くて強いがウリのAsrockはZ390の廉価帯はやる気がない様子でした。
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9350KFにオススメなグラフィックボード
RTX2060くらいまではそこまでCPUがネックになることはないでしょう。
2070までゲーム次第では問題ないとは思います。
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とりあえず安いクロシコ。
グラボはまあ、好きなメーカーを使うべしですね。
9350KFにオススメクーラー
KつきCPUなのでCPUクーラーは付属していません。別途用意する必要があります。
虎徹2クラスの120mmファンサイズのクーラーなら問題なく冷えると思います。
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自分はHyperEvo2を使用しましたが、最高でも75℃(室温28℃)でした。
オーバークロックを考慮するならもう少し上の無限5等にするといいと思います。
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まとめ
9350KFはこんな人にオススメ
・シングル番長でゲーム性能だけ欲しい人
・オーバークロックで値段以上の性能を出したい人
やはりオーバークロック抜きで考えるとコスパは良くないです。
が、オーバークロック前提なら伸びしろ大きくて素人でも簡単に10%くらいクロック伸ばせます。
そしてそれなりに性能も伸びます。
単純にゲーミング性能で考えるとオーバークロックしないならすぐ後ろにいる9100Fのコスパが良すぎます。
あれが1.2万で買えるのが謎なだけですが。
関連:6700K以上の性能?Intel Core i3 9100FをRyzen 3 2200Gとゲーミング性能比較とレビュー – 浅く広くPCゲーミング
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