Twitterにてzen2ことRyzen3000シリーズとB450マザーおいてメモリクロックが何度も話題になっています。
ZEN2に最適なメモリクロックが3600MHzな理由と、B450マザーボードでの注意点などを簡単にですがまとめてみました。
目次
3600MHzが良い理由
RyzenはCPU内部でのデータのやり取りにInfinity Fabricという転送方式が使用されています。
このInfinity Fabricの動作クロックがメモリクロックと同期しているので、メモリクロックが高いほどInfinity Fabricのクロックも高くなりCPU内部のデータ転送が高速になるわけです。
しかし、メモリクロックが高すぎるとInfinity Fabricがついてこれなくなるため、これまでは超高クロックなメモリが使用できませんでした。
そこでZEN2ではメモリのクロックが3733MHzを超えるとInfinity Fabricのクロックがメモリの半分になるInfinity Fabric Dividerという機能が追加されました。
1:1で同期していたクロックを1:2で同期することで高速なメモリクロック対応しているわけです。
しかし,Infinity Fabricのクロックの低下でCPUの性能も低下します。
3733MHzのオーバークロックメモリは少なく、4000MHzと3600MHzが主流です。
なので、Infinity Fabricと1:1同期ができる上限に近く入手しやすい3600MHzが最適といわれているわけです。
3600MHzで使用する場合の問題点
というわけで3600MHzが理想ではあるのですが、3600MHzで使用する場合には問題点が。
CPUの定格を超えている
メモリのコントロールはCPU内部で行いますが、そのCPUが標準対応しているメモリクロックはZEN2の場合3200MHzまででる。
なので、3600MHzは動作保証外ですし動作したとしてもCPUの製品保証が無効になります。
最近のオーバークロックメモリに搭載されているXMP機能を使用してもCPUの保証が切れます。
関連:
OCメモリはゲームに効果あるのか?ASUSマザーでXMPのON/OFFのやり方等 – 浅く広くPCゲーミング
動作するかは完全に保証されない
3600MHzがCPU側の保証外からも当然ですが、3600MHzのオーバークロックメモリを購入しても3600MHz設定で動作するかどうか保証できません。
メモリのオーバークロックにはマザーボードやCPU内のメモリコントローラー等様々な要因が絡むため、万が一3600MHzで動作しない場合も「オーバークロックなのでサポート外」という返答がくる場合も・・・
マザーボードのメモリサポートリストにも「メモリオーバークロックはCPUやメモリ性能に依存します」的なことが書いてますしね。
メモリクロックによる性能差
実際にメモリクロックによってどの程度差が出るかといわれると難しいです。
少なくとも劇的に変化はしません。
定番ベンチマークであるシネベンチにおいては殆ど差が出ませんでした。
しかしレインボーシックスシージというゲームのベンチマークでは平均fpsが
2133MHz(CL15):281fps
3200MHz(CL16):301fps
3600MHz(CL20)320fps
という風に少なからず差が出ました。
しかしこれがCPUの性能向上によるものなのか、メモリ性能の向上によるものなのかは不明です。
Intel製CPUで同じようなテストをした場合も似たような結果になると思います。
B450マザーボードでの使用
B450は高クロックメモリに不向き?
ZEN2はB450チップセット搭載のマザーボードでもBIOSが新しければ使用可能です。
しかし、設計自体はZEN2以前にされたものが殆ど。
ZEN2のメモリ定格は3200MHzですが、その前のZEN+では2666MHzです。
そのため、ZEN2向けに作られたX570チップセットのマザーボードと比較すると3600MHzでの動作が難しい傾向があります。
といっても、割と動いてしまうことのほうが多いのですが、ある日突然起動しなくなったり動作中にエラーを起こしたりする恐れもあります。
手動で設定を触れる人や、起動しなくなった場合の対処法を知ってる人はともかく、初心者の方が「Zen2のメモリは3600MHzが最適」という言葉だけを鵜呑みにして3600MHzのオーバークロックメモリを購入すると痛い目を見るかもしれません。
B450なら2666MHzまでが無難
Ryzen2000シリーズ向けに設計されたB450マザーボードの場合、2000シリーズの定格である2666MHzまでのクロックのメモリを使用するのが無難でしょう。
Crucialの2666MHzメモリ等は定番なので特にオススメ
3600MHzがだめでも動作は可能
現在発売されている3600MHzのオーバークロックメモリの殆どは何も設定しなければ2133MHzで動作するのが殆どです。
BIOSの設定でXMPをオンにすれば3600MHz設定になりますが、もしその設定で動作せず起動失敗しても多くの場合は何度か起動にトライした後にセーフモードで起動するので、そこでXMPをオフにしてやれば大丈夫です。
もしセーフモードで起動しない場合でもCMOSクリアをすればXMPはオフになります。
なので、基本的には3600MHzメモリを買うことにそこまでのリスクはないかなと思います。
オススメの3600MHzメモリ
オーバークロックメモリは表記では違いが分かりにくいです。
クロックの他にCLと電圧が低いものがオススメです。
RyzenだとCLが奇数の場合、ギアダウンモードをオンにしないと自動的に1追加した偶数になるので気を付けましょう。(CLは低いほど高速)
CL18なら中々。16だとかなり強い。14は超高級品になると思います。
CL 18-22-22-42 、 電圧:1.35V、
GSkill製の人気のシリーズTridentZ Neoの8GB×2。
CL18と中々でなおかつ価格も低め。
見た目もよくバランスの取れたモデル。
G.Skill SniperX F4-3600C19D-16GSXWB
CL:19-20-20-40 電圧:1.35V
激安オーバークロックメモリでよく見るSniperX。
パソコン工房でよくセールしてますね。
オススメとはちょっと違いますが安いのでとりあえず紹介。
ちなみにB450M TUF Plus Gamingという激安マザーでもXMPの3600MHzで動作しました。
CL19なので自動で20になる点に注意。
GALAX HOF OC Lab Aurora D4-3600 16G
CL 17-18-18-38 電圧:1.35V
厳選されたオーバークロックメモリをリリースするGALAX製のRGBメモリ。
使用チップがオーバークロックメモリで評価の高いSamsung製でその気になれば電圧を1.8Vくらいまで上げてブン回せます。
ライティングも非常に綺麗で性能と見た目を両立できます。
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