2万円ジャストくらいまで値下がりしてかなりお得感の出てきた10400Fを同価格帯のRyzen5 3600と比較しながらレビューします
目次
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10400Fの仕様
Core i5 10400F | Ryzen5 3600 | |
メーカー | Intel | AMD |
対応ソケット | LGA1200 | AM4 |
製造プロセス | 14nm | 7nm |
コア数/スレッド数 | 6C/12T | 6C/12T |
最大クロック | 4.3GHz | 4.2GHz |
内蔵グラフィック | × | × |
TDP | 65W | 65W |
メモリ定格 | 2666MHz | 3200MHz |
PCIE | 3.0 | 4.0 |
CPUオーバークロック | 不可 | 可 |
メモリオーバークロック | Z490限定 | マザー問わず可 |
付属クーラー | Intel純正クーラー | Wraith Stealth |
発売日 | 2020年5月 | 2019年7月 |
実売(20年7月時点) | 20,500円前後 | 23,500円前後 |
3600と比較して10400Fの仕様はかなり似ています。
2年前のIntelハイエンドと同等の6C12Tで、最高クロックは4.3GHzです。
ちなみに全コア負荷時は4.0GHzで、3600は温度によりますが冷えていれば4.1GHz程度は出ます。
どちらも内蔵グラフィックはないのでグラフィックボードが必須になります。
ゲーミングならどのみちグラボは使うのであまり気にしなくて大丈夫ですが。
実用上で一番の差はメモリの定格とPCIE3.0・4.0の違いでしょうか。
どちらも付属クーラーはありますが、どちらも冷却能力不足な印象。
実売価格では後発の10400Fの方がほぼ2万円ぴったりと格安。
ただ、Ryzenは実店舗だとセット割りなどで安く入手できる機会は多いです。
メモリクロックの差
10400Fのメモリ定格は2666MHz。
対してR5 3600のメモリ定格は3200MHz。
そこまで大きな差ではありませんが、2666MHzと変わらない価格でネイティブで3200MHzで動作するメモリも増えてきていることを考えると「効果はともかくできる」方が偉いですね。
また、定格を無視してメモリのオーバークロックをする際にも、R5 3600がマザーボードを問わないのに対し、10400FはZ付きのZ490マザーボードでないとメモリのオーバークロックできず2666MHzまでになります。
Z490以外のXMP対応のマザーボードを使用したとしてもクロックは2666MHzを越えません。
Z490マザーボードは価格的にも高価なモデルしかないことを考えると、安物のマザーボードでも(動くかはともかく)オーバークロックできるR5 3600との差はオーバークロック全体だと広がりますね。
PCIE4.0には非対応
Intel 10th CPUはPCIE4.0に対応していません。
10400FもPCIE3.0となっています。
グラフィックボードは現行モデルRadeonの一部が4.0接続対応ですが、3.0でつないでも特に速度に影響はないようです。
次世代で3000番台のRTXが4.0対応で出た場合の速度低下は気になりますが、5%も差は出ないんじゃないかと思います(あくまで予測ですが
SSDに関しては4.0対応のモデルが実際に3.0の倍近い速度を出しているので、SSDの速度にこだわる場合はR5 3600に分があります。
ただ、SATA接続→PCIE3.0接続 でもあまり体感は変わらないので、そこから倍になっても体感変わらないという意見も多いですね。
特にゲーミングだと起動時間の差は殆どない(5%未満)という結果が出ています。
付属クーラーについて
10400FにはIntel純正CPUクーラーが付属しています。
トップフロー式で非常に小さく貧弱なクーラー。
PWM制御対応の4pin接続になります。
これでは冷えないだろうと思いきや先代の9400Fはこれで十分冷えました。
10400Fが冷えるかは温度についての項目をご覧ください。
R5 3600にもWraith Stealthというこちらもトップフロー式の貧弱なクーラーが付属しています。
こちらは全然全然冷えません。ギャグです。
関連:Ryzen5 3600が付属のリテールクーラーで全然冷えなかったので虎徹Mark2に交換した話 – 浅く広くPCゲーミング
対応マザーボードに関して
10400FはソケットLGA1200を搭載したマザーボードに対応しています。
現在はZ490,H470,B460,H410があります(WS480というのもありますが)。
発売されで時期が早いのとIntelマザーという事で高め。
H410やB460なら1万円未満からありますが6C/12Tなので多少電源回路の強いモデルにした方がいいかも、と思ってましたが
自分が使っていたGIGABYTEの激安B460でもさほどVRMが熱くならなかった(50℃とかそんなもんかと)ので適当でもいいのかもしれません。
R5 3600ならA320やX370等のかなり古いマザーボードでも動作しますが、流石にB450以降のB450,X470,X570,B550辺りを選びたいところ。
B450なら1万ちょっとでも良さげなマザーボードがあります。
中古だとBIOSが対応していない恐れがあるので、店頭での購入をオススメしますが。
発売時期の関係でマザーへの費用対効果でいうと10400FはR5 3600に劣りますね。
BFB(電力制限解除機能)に関して
Asrockのマザーボードに備わっているK付きでないCPUの電力制限を解除して性能を引き出すというBFBという機能、ASUSやMSIも似たような機能を新BIOSで追加するなどしていますが、10400Fに関してはゲーム中まず電力制限に引っ掛かりませんでした。
自分が見ていた限りずっと4GHzをキープしていました。
ゲーム中はCPU負荷がフルにはならず電力をあまり使わない為かと。
なので、そういった電力制限を解除する機能のマザーを選ぶ必要はないかと思います。
ちなみにCPUがフルパワーで回るCinebenchを連続で回してる時も4GHzを維持していたので、電力制限にかかるのは稀かもしれません。
性能比較
実際にベンチマークやゲーム中のfpsをR5 3600と比較して10400Fの性能を見てましょう。
比較に際し使用した機材のリスト
仕様機材リスト | ||
CPU | Core i5 10400F | Ryzen5 3600 |
CPUクーラー | Intel純正クーラー | Wraith Stealth |
グラフィックボード | GIGABYTE RTX2060SUPER | |
マザーボード | GIGABYTE B460 DS3h | ASUS TUF B550M Plusgaming |
メモリ | W4U2666CM 8GB×2 | GSkill SniperX 3200 8GB×2 |
メモリ設定 | 2666MHz | 3200MHz |
ストレージ | SSD 500GB | |
電源 | 玄人志向 550W Bronze | |
ケース | Versa H18 | ベンチ台 |
マザーボード、メモリ、ケース以外は同じ構成です。
グラフィックボードは実際に組み合わせて使われそうなRTX2060SUPERにしています。
メモリは定格クロックに合わせて別々のメモリを使用しています。設定もCPU側の定格に合わせています。
10400Fの方は実際の使用を想定してケースに入れています。ケースファン×3付き。
Cinebench R20
CPUの性能比較でよく使われる3Dソフトのベンチマーク。
あくまでCinemaというソフトにおけるCPU性能を見ているだけなのでゲーム性能は見えにくいです。
10400F シングル:441 マルチ:3196
3600 シングル:473 マルチ:3490
シングル・マルチ共にR5 3600が少し上回りました。
数値でいうと10%くらいですね。
FF14ベンチマーク
FHDフルスクリーン最高品質にて測定
元々Intelが得意といわれるFF系なので5%程10400Fが上回りました。
FF15ベンチマーク
FHDフルスクリーン高品質にて測定
FF14と同じく10400Fが少しリードしました。
R6Sベンチマーク
ビデオ設定で実行できるベンチマーク。
FHDフルスクリーンにて最低画質と最高画質にて測定。
最低画質だとほぼほぼ互角といった測定結果に。
正直もう少し10400Fが勝つと思いました。
最高画質だと若干R5 3600が上回りました。
APEX Legendsゲーム中fps
FHDフルスクリーン。
射撃練習場にて開始地点からまっすぐ走った時のfpsを測定しています。
全てを最低にした時と、最高にした時の2パターン。
最低設定時の平均fpsは同レベルですが、最低fpsは何度か試しても10400Fの方が落ち込みが低かったです。
最高設定にすると明確に10400Fの方が高い数値となりました。
Fortniteゲーム中fps
FHDフルスクリーン。
競技設定(低設定+3D解像度と描写距離最大)と最高設定の2パターンで測定。
同じポイントを走った時のfpsを測定しています。
競技設定の場合は10400Fが1割程度fpsを上回りますが・・・
逆に最高画質にすると逆転しR5 3600が1割上回ります。
PUBG
FHDフルスクリーン
低設定とウルトラで計測。
トレーニングモードで海沿いを走った時のfpsを測定しています。
Intelが強い傾向にあるPUBGなだけあり、最低画質・ウルトラ画質とも10400Fが大きく差をつけて上回りました。
ゲーム性能比較まとめ
ベンチスコア・fps比較結果一覧
タイトル | 結果 |
FF系 | 10400F |
R6S | R5 3600 |
APEX Legends | 10400F |
Fortnite | ドロー |
PUBG | 10400F |
Intel系が非常に強いFF系はともかく、それ以外のタイトルでもR5 3600と同等かそれ以上のfpsを出しています。
もう少し比較タイトルを増やすべきなところですが、とりあえず流行りのタイトルでいえば価格が上なR5 3600よりもi5 10400Fの方がゲーム性能は高いようです。
温度に関して
付属のIntel純正クーラーを使用し10400Fの発熱をCinebench R20を連続で回して確認。
結果は驚きの70℃未満。
10回ほど回して、スコアも平均3100後半と悪くないです。
なんでこんなに冷えてるのか全く謎です。
9400Fの時もやたら冷えていましたが、これはさすがに驚き。
10400Fが付属クーラーで冷えてるので別途クーラーを買わないでよい一方、R5 3600は付属クーラーでは怖くなるくらい温度が高く別途クーラーの購入が推奨な点でも、10400Fは相対的にコスパがよく見えます。
10400Fまとめ
悪い点
メモリ定格が2666MHz
PCIEが3.0まで
マザーがちょっと高い
良い点
・買いやすい価格
・一つ上の3600と同等の性能
・付属クーラーでも十分冷える
9400Fの後継として申し分のないコストパフォーマンだと思います。
一つ上のクラスの3600と定格同士なら5分です。
さらに付属のクーラーでも十分に冷えることを考えると、実質的な価格差は6,000円くらいになるかと思います。
マザーボードが若干高いですが、その分を差し引いてもお釣りが来ます。
オーバークロックメモリを使うとまた話は変わるかもしれませんが、各パーツの価格を得さえて性能を求めるなら文句なしに10400Fでしょう。
10万円前半のゲーミングPCを組むなら、イチオシです。
何か疑問等あればコメントください。なるべく答えます
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