Intel 11th Core i5 11400をレビュー 10400Fの微強化の代償が大きい

CPU
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11thで1番期待の高かったi5 11400をレビューしました。

性能は確かに上がってますが、オススメできるかと言われると微妙なCPUでした。

 

 

10400との仕様比較

CPU 11400 10400
コア数 6コア12スレッド 6コア12スレッド
最大クロック(シングル) 4.4GHz 4.3GHz
最大クロック(全コア) 4.2GHz 4.0GHz
PCIe世代 4.0 3.0
TDP 65W 65W
メモリ定格 Gear1 2933MHz 2666MHz
Gear2 3200MHz
CPUクーラー 付属 付属
内蔵グラフィック UHD730 UHD630

コア/スレッド数に変化は無し。

シングル最大クロックが0.1GHz上昇。全コア使用時のクロックも0.2GHz上昇しています。

また、仕様上ではみえませんが内部構造の変更により1クロックあたりの命令数が19%向上しているそうです。

その他の違いに関しては下記に。

 

 

PCIe4.0に対応

11thからCPU接続のPCIeレーンが4.0に対応しています。

基本的にはCPUすぐ下のM.2スロットと拡張スロットのx16の上段になります。

ただ、マザーボードも対応している必要があり一部のZ490マザーボードと最新の500番台チップマザーボードが必要になります。

特に注意が必要なのがH510チップセットのマザーボードで、拡張スロット側は4.0対応ですがM.2スロットに関しては3.0までとなってしまっています。

 

 

メモリの仕様が大幅に変更

11th CPUからメモリの仕様が大幅に変わっています。簡単にいうとRyzenと似たような仕様に。

 

CPU内蔵のメモリコントローラーの動作モードがGear1とGear2の二つあり、

メモリクロックが3600MHzまではGear1で動作しますが、それを越えるとGear2での動作になります。

Gear1はメモリコントローラーとメモリのクロックが1:1ですが、Gear2だとメモリクロックに対してメモリコントローラーのクロックが半分になります。そのためGear2は遅延が大きく性能低下します。

3600MHz Gear1と4000MHz Gear2だと前者の方がベンチスコアが高い場面も多くメモリの選択が少し面倒です。

11400のメモリ定格としてはGear1で2933MHz、Gear2で3200MHzとなっています。メモリOCできないマザーボードの場合3200MHzで動かすとGear2になるので注意。

 

 

Z以外のマザーボードでもメモリOCが可能に

これはCPUの仕様でなくマザーボード側の仕様の話ですが、これまでZ付マザーでないとメモリのオーバークロックに対応していませんでした。

500番台からはH570とB560でも(H510は不可)メモリオーバークロックできるようになりました。

11400クラスのCPUにZ付マザーを使うことはあまりない為、この変更は素晴らしいですね。

 

 

内蔵グラフィックがUHD730に

CPU内蔵グラフィックが長年変わらなかったUHD630からUHD730に変更されています。

ちなみに11thでは11400だけがUHD730で11500以上のモデルはUHD750になっています。

性能差は検証していません。

UHD630とUHD750の差が20%程度らしいので、UHD730はその間くらいですかね?

 

 

付属クーラーの見た目が改善

11400にはCPUクーラーが付属しています。

10700等に付属していたものと同じもので10400にも付属していたものよりもオールブラックになってかっこよくなっています。

ただ両方のクーラーを11400につけてみましたが冷却性能としては大差ないようです。

 

 

対応マザーボードに注意

対応マザーボードは500番台(Z590,H570,B560,H510)とZ490,H470のチップセットを搭載したモデル。

B460とH410には対応していないので注意が必要です。かなりコストパフォーマンスのよいB460M Pro4が使えないのが残念。(この辺はIntel正直どうなのって感じ)

また、Z490とH470もBIOSが古い場合は動作しませんし、一部のモデルはBIOS更新に10th CPUが必要なのでセール品などの型落ちマザーを買う場合は注意しましょう。

CPUなしでBIOS更新できる機能が付いてるモデルなら問題ないですが・・・

 

対応マザーとメモリOC対応非対応を表にまとめました

マザー対応表 11th対応 メモリOC
Z590
H570
B560
H510 ×
Z490 △※
H470 △※ ×
B460 ×
H410 ×

※△:BIOSの更新が必要な場合あり

 

性能検証

旧型の10400(F)と同価格帯であるRyzen5 3600との性能を比較します。

 

検証PC構成

CPU i5 11400 i5 10400F Ryzen5 3600
CPUクーラー 付属INTEL純正 付属Wraith Stealth
マザーボード ASRock H510M-ITX/AC MSI B550 GAMINGPLUS レビュー
GPU Palit RTX3060 DUAL
SSD WD BLUE SN550
電源 Antec Ne850 Platinum Antec NE750G

グラフィックボードはRTX3060を共通で使用しています。

CPUの設定はデフォルトですが電力制限はゲーム中にはかからない程度にゆるくしています。

メモリは

11400:2933MHz CL20 Gear1

10400F:2666MHz CL19

3600:3200MHz CL22

と、各CPUの定格に合わせた設定になっています。

 

FF14

フルスクリーンにてFHD最高品質で測定したベンチスコアを比較。

 

FF15

フルスクリーン、FHD高品質でのベンチスコアを比較。

 

APEX Legends

射撃訓練場にてバンガロールのウルトを撃ってfpsが安定するまでを計測してます。

FHDで画質設定はすべて低。

 

Fortnite

リプレイモードを使用して実プレイ中の2分間のfpsを計測しています。

FHDで画質設定は低設定+3D解像度と描写距離最大の競技設定。

 

R6S

ベンチマークにて測定。FHDの低設定。

 

ゲーム性能まとめ

今回検証の結果を10400Fを100%としてみた場合の性能比は以下のとおり

FF14やR6Sだとそこそこ差がでましたが、大きく差が出ないタイトルも多く逆にAPEXでは10400Fに負けてしまうなど、明確な強さを感じない結果となってしまっています。

6,000円程度ある価格差を考えるとゲーム性能だけみると辛いかも。

 

電力制限による性能低下

10400はどうやっても65W越えず電力制限にかからないほど消費電力の優秀なCPUでしたが、11400はその良さが失われています。

下の画像はシネベンチを回してる最中の11400の消費電力になります。

125W以上出ています。デフォルト設定だとすぐに電力制限にかかる消費量。

これは電力制限を解除した状態なので125Wの消費をキープしていますが、何も設定しない場合は30秒程度電力制限にかかりブーストが切れて4.2GHzから3.3GHzにダウンします。

シネベンチ程電力を使わないゲーム中は大抵のCPUは電力制限にかかりませんが、11400はTDP65Wなのにゲーム中も90W程度消費するので時折電力制限でクロックダウンします。

クロックが落ちる時、ゲームだとフレームレートもガクッと落ちて一瞬カクつくので気になる場合はありそう。

使用時には手動で電力制限の解除をオススメします。

 

温度に関して

消費電力の増大により温度も高めになっています。

付属クーラーを使用した場合電力制限ありの状態でも

シネベンチ:最大80℃

ゲーム中:最大73℃

ケースの外の状態でこれなので、ケースに入れた場合はゲーム中でも80℃程度のちょっと不安な温度になりそう。

 

電力制限を解除するとゲーム中温度はさほど変わりませんが、シネベンチ中の温度が90℃まで上昇します。

もし電力制限を解除して使用する場合は付属のクーラーでなく社外クーラーへの変更をオススメします。

虎徹なら電力制限解除してシネベンチを回しても64℃程度に収まりました。

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良い点・悪い点

11400の気になる点

・電力制限に掛かるほどの消費電力

・付属クーラーだとちょっと不安な温度

・旧型の安価なマザーが使えない(対応マザーが高い)

・ゲーム性能で見ると価格差ほど上がっていない

・11thで唯一UHD750でない

 

11400の良い点

・PCIe4.0対応

・性能だけ見れば10400の上位互換

・付属クーラーの見た目がマシ

・10400よりは内蔵グラフィック性能アップ

 

まとめ

10400はそのまま載せて消費電力も温度も優秀な素晴らしいCPUでしたが、11400はその良さが失われてしまっています。もちろんその辺に対処できるならデメリットは小さいですが、少なくとも自分なら初心者には10400をオススメしますね。

PCIe4.0や内蔵グラフィックの向上など間違いなく10400から進化はしていますが、対応マザーが今のところ高めなのも相まって10400との6,000円の価格差が割高に感じます。

ゲーム性能だけで見た場合にはあまり差が出ないため余計に割高に思ってしまいます。

しばらくして2万円前半になってマザーも安くなれば悪くない選択肢だとは思いますが、年内に12thが出そうな雰囲気も強い事を考えると・・・・

 

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