ようやくIntelの第9世代最下位のCore i3 9100Fが発売されました。
さっそく手に入れてたまたま手元にあったRyzen3 2200Gと比較しながら検証してみたところ、思った以上にパワーのあるCPUでした。
ちな動画版もあります
Intel Core i3 9100FをRyzen3 2200Gと実ゲーム性能で比較レビュー 低価格ゲーミングPC向け – YouTube
目次
仕様
旧8100や2200Gの仕様と並べてみました。
CPU名 | i3 9100F |
i3 8100 | 2200G |
コア数 | 4コア4スレッド | 4コア4スレッド | 4コア4スレッド |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.5GHz |
ブースト時クロック | 4.2GHz | なし | 3.7GHz |
全コアブースト | 4.0GHz | 3.6GHz? | |
キャッシュ | 6MB | 6MB | 4MB |
TDP | 65W | 65W | 65W |
内蔵GPU | 無し | インテルUHD630 | vege8 |
付属ファン | 有り | 有り | 有り |
実売 | 12,500円 | 15,500円 | 10,000円 |
※実売は2019年5月20日時点の店頭価格を参考にしています
※9100Fのオールコア時のブーストクロックが3.9GHzとなっていましたが、正しくは4.0GHzでした。申し訳ありません
特徴
i3 9100Fの特徴は
・価格
・内蔵グラフィック無し
・ブースト搭載
の3点になると思います。
実売でi3 8100よりも3,000円ほど安いですが、その代わりに内蔵グラフィックは無し。
使用にはグラフィックボードが前提となります。
そしてなんといっても8100にはなかったブーストを搭載したことです。
これにより、最高クロックはシングルで4.2GHz・全コアで4.0GHzまで上昇しました。
ちなみにミドルのCore i5 9400Fはシングル最高で4.1GHz・全コア3.9GHzなのでクロックだけで言えばi5を上回るスペックを持っています。
もちろん、コア数やキャッシュ量では劣るのでi5に勝てるとは言えませんが。
物としては単に内蔵グラフィックを無効にしてブーストを追加した8100感がありますが。
ゲーム性能
ゲーム上での性能にしか興味がないので、いくつかのベンチマークと実際のゲーム中のFPSを測定し、Ryzen 3 2200Gと比較してみました。
3D Markとかもやったほうがいいんですかね?
使用した機器構成
9100F
チップセット:H370搭載マザーボード
CPUクーラー:付属品
メモリ:DDR4 2666MHz 8GB×2
ストレージ:SSD
2200G
チップセット:B350搭載マザーボード
CPUクーラー:付属品
メモリ:2666MHz 8GB×2
ストレージ:SSD
上記構成にGTX1650とGTX1080を組み合わせてテストしました。
FF15ベンチ
FF15のベンチマークをFHDの高画質と標準画質で比較しました。
標準画質でやや快適、高画質だと普通の評価です。
FF14紅蓮のリベレーターベンチマーク
FHDの最高画質と高品質で測定。
比較的軽くグラフィックボードがネックにならないのでGTX1650使用時でも2200Gをそこそこ突き放す結果に。
APEX Legends
バトロワゲーのAPEX Legendsのトレーニングモード中の平均fps。
グラフィックボードへの負荷が強めで、CPUの性能差が出にくかったです。
それでもGTX1080クラスになると1割程度差が出ました。
最低画質ならある程度グラボが良ければ平均200fpsは越えられます
PUBG
全てFHDの高画質設定にて降下後普通に10分程度プレイして平均fpsを計測。
GTX1650使用時には2200Gと差がなかったのですが、GTX1080使用時には9100Fが大きく差をつけました。
R6Sベンチマーク
レインボーシックスシージのグラフィックオプションから起動できるベンチマークにて測定。
FHDで最高・高・最低で計測。
グラフィックボードへの負荷が軽いソフトの為か最低画質だと単純にCPU性能の差の勝負になり、グラボの差すら乗り越えて9100F+GTX1650が2200G+GTX1080よりも高いスコアを出してしまいました。
オーバーウォッチ
FHDの低・Normalのプリセットの2種で計測しました。
こちらも比較的軽いソフトの為か、2200G+GTX1080を9100F+GTX1650が上回ってしまいました。
ゲーミング性能比較総評
ローエンドのグラボだと差が出にくいが
GTX1650程度だとCPUよりもグラボが先に性能の限界を迎えるので9100F・2200Gの差は5%~10%程度でした。
逆に言えば、このCPUはGTX1650だと性能を持て余すという事ですね。
ミドル以上の性能も引き出せる
GTX1080と組み合わせた場合は2200Gとの差が大きく開いて、最大で25%くらい平均しても15%くらいはスコアに差が付きました。
第6世代のK付きi7を上回ってしまう
これが割と驚きでした。
以前i7 6700KとGTX1080で計測したFF14とFF15のベンチスコアを9100F+GTX1080が5%と上回りました。
3世代前とはいえi7のk付にも勝てるゲーミング性能です。
発熱
ローエンドながら旧i7をも上回る性能を有していますが、その分発熱もローエンドとは言い難いです。
付属のCPUクーラーを使用し、負荷テストソフトのOCCTにて負荷をかけたところ、3分程度で80℃まで達してしまいました。
その後、クロックダウンが発生し78℃と80℃を行ったり来たりしました。
実際のゲーム中でも78℃までいきました。
単に付属のクーラーが相当小さいのが原因だと思います。
ローエンドなのに付属のクーラーで冷えないというのは、別途クーラーの購入が推奨されるためローエンドの意味が薄まりマイナスポイント。
とりあえず、付属のクーラー以下の別売りクーラーなんて稀だと思うので、2,000円程度のクーラーを用意したほうがいいでしょう。
ゲーミング用としてはかなり良品
ここのところ高騰気味だったIntel製としては本来のi3らしい金額であり、性能も内蔵グラフィックが無いことを除けば抜群に良いです。
i7 6700Kにもゲーミングだと互角以上の性能を発揮するため、1万前後のゲーミング用途としてはコスパは最強かもしれません。
このCPUにGTX1660Ti、もしかするとRTX2060くらいまでは足を引っ張らずに使えると思うので、ミドル用としても使えてしまう良品だと思います。
単にコスパで話すと2200Gも悪くないんですが、Intel製というブランド料も加味すると9100Fはとても魅力的。
Intel製にメリットを感じないという人でも、2千円追加するだけで2割増しの性能が手に入ると思えばよい選択肢だと思います。
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