ここ最近MicroATX(μATX)に勢いがない気がする。
ATXの充実感、ITXのコンパクト感、その間のどっちつかず感のMicroATX。
今回は、MicroATX大好きな自分がMicroATX組む際のメリット、デメリット、注意点を書いていきます。
M-ATXのメリット・デメリット
メリット
なんといってもサイズ。
ITX程の小ささはないが、ちょうどいいコンパクト。
ATXの拡張スロット部分を削ったような形状なので、部品を選ぶ際に干渉等で悩まずにATXと変わらない基準で選べる。
ケースに関しては言えば、ATX用のケースも使用できる(コンパクトの意味ないが)。
気持ちATXマザーよりも安い。
あと個人的にM-ATXのケースはオシャレなものが多い気がする。
デメリット
同じグレードのATXマザーと比べると一部機能が削られている可能性。
少なくとも拡張スロットの数はATXよりもすくない。
また、MicroATXのケースだと大型のCPUクーラーやラジエーター、極一部のハイエンドグラフィックボードが使用できない。
また、HDDやSDDの搭載可能数も少なくなる。
これらを欲張ると大きなケースになってしまいM-ATXの意味もなくなってしまう。
また、M-ATXのマザーボードは上位モデルが殆ど存在しない。
なのでオーバークロック向けだったり機能てんこ盛りといった製品が選べないものデメリットだろう。
ATXとM-ATXのマザーボードを実際に比較してみる
日本ASUSさんのサイトでマザーボードの比較ができるので、実際に同じグレードでATXとM-ATXのマザーボードを比較してみました。
比較したのはPRIME-H370-Aと PRIME-H370M-PLUS
価格
実売レベルでATXが12000円前後、M-ATXが11500円前後。500円程度の差がある。
誤差程度。
外観
30.5 cm x 22.1cmと24.4 cm x 24.4cm。
CPUソケットとメモリスロットの間の距離はほぼ一緒。
CPUソケットとグラフィックボード向けのPCI-EスロットがM-ATXだと少し狭くなる。
その為一部の大型クーラーが使用できない。(Noctua NH-D15など)
機能
比較してみて驚いたのだが、基本性能は全く一緒でその他の機能も大きな差は非常に少ない。
拡張スロットの数はもちろん劣るが、それ以外で気になることはLANポートの仕様が若干異なる事、ディスプレイの対応数が3(ATX)と2(M-ATX)な事くらい。
背面のI/Oに関して言えば何故かM-ATXの方が優秀だった。
ITX規格のマザーという選択肢
M-ATXのデメリットとして、マザーボードに上位モデルが殆ど無いことが挙げられるが、M-ATXケースにはITXマザーボードが使用可能。
ITXの方がパーツが豪華なモデルがあったりするので、こだわる人はITXマザーも検討してみるといい。
M-ATXで組む際の注意点
電源は基本ATXと同じものを使用可能
一部の記事で何故かM-ATXの電源はSFXという小さい規格という事が書かれてたりしますが、電源の規格はPCケース次第ですし殆どのM-ATX用ケースはATX電源が搭載可能です。
CPUクーラー
一部のM-ATXマザーボードはCPUソケットとメモリスロットの距離が近い。
その為に幅の広いCPUクーラーはメモリと干渉して使用できない事がある。
自分もBIOSTAR製のマザーボードで対して大きくないクーラーが干渉してしまった事がある。
最近のCPUクーラーはメモリスロットに干渉しないようにケース背面にオフセット(ずらし)を入れてる製品が多いので、干渉が不安ならそういった製品を選ぼう。
ケースとグラフィックボードの長さ、使用スロット
M-ATXだけでなく一部のATXケースにも言える事だが、ケースの奥行が短い場合に大型のグラフィックボードがケースと干渉する。
また、M-ATXケースは拡張スロット用のベイが4スロットが多い。
3スロット占有するグラフィックボードだとファンがケース底面と近すぎて吸気効率が落ちる可能性がある。
最悪グラフィックボードを使用する場合は底面ファンを外したり薄型ファンに変える必要があることも。
M-ATXはこんな人にオススメしたい
部屋が狭い人
ATX用のケースは大きい!かといってITXは小さすぎて辛いって人にはぜひM-ATXをオススメしたい。ITXだと狭すぎてパーツ選定にかなりの制限かかるから。
最高スペックを求めない人
M-ATXはほどほどのスペックを求める場合にデメリットが殆ど無い。
各部品の干渉も一部のハイエンドな製品くらいであるし、HDDやSDDを大量に積まなければケースの選択で困る事もない。
ちなみにパーツの寸法を吟味すれば最高に近いスペックをM-ATXで狙う事も可能で、コンパクトかつ高スペックというマニアックな趣味を持つ人もいる。
コンパクトかつほどほどの性能を求めたいという人は是非M-ATXで組んでみてほしい。
おすすめのM-ATXケース!
これが言いたかったまであるオススメのM-ATXケースを紹介したい。
ちなみに寸法でソート可能な大量の一覧も作ったので寸法にこだわる人は使用してみて欲しい。
2018年最新のMicro-ATXのPC用ケースリスト、オシャレからかっこいいまで48種。高さや価格の比較に最適です。 – 浅く広くPCゲーミング
実売3,000円前後と激安のケース。
予算を抑えたい人にオススメ。側面がアクリルで透けるH18とスチールで透けないH17がある。
安くても中々の作りで、非常にコスパがよい。↓にレビューもあります。
格安MicroATXサイズ自作用PCケースの定番 サーマルテイク Versa H17(H18) 図解レビュー – 浅く広くPCゲーミング
実売11,000円前後
INWIN製の流行りの強化ガラスサイドパネル。
BTOでこれのカステムタイプをよく見ることから、多くの支持がある。
ワンタッチで取り外せサイドパネルが非常に便利。
底面のファン(フィルター付き)から吸気して背面と全面から排気する。
330mmまでのグラフィックボード、158mmまでのCPUクーラーに対応する十分な内部スペースを確保しつつも高さ365mmとコンパクト。
大型のグラフィックボードを支えるサポートが付属している。
実売6,000円程度
堅実な製品を出すAntec製の強化ガラスパネル付きケース。
Antec製では珍しくフロントにライティングを備えている。そこまで派手に光らずシンプルなデザインとマッチ。ライティングはケース上部のスイッチでパターンを変更可能。
120mm~140mmのファンを最大6個設置可能、大きめの裏配線スペースやケーブル用ホールなど中身はしっかりしている。
280mmのラジエーターをトップに搭載可能、CPUクーラーは最大160mm、GPUは最大360mmと拡張性も問題ない完成度の高い製品。
実売17,000円程度
Corsairの3面ガラスパネルのキューブ型ケース。
電源ユニットなどをマザー背面側に配置している。エアーフローは良い反面横幅が280mmとちょっと大きい。その分高さは350mmと低め。
フロントに同メーカーのLL120という発光が非常にきれいなファンを2個とそれ専用のコントローラーを装備している。これだけで7,000円程度するのでそう考えると安いかもしれない。
ファンがRGBなし1個のモデルもありそちらは14,000円くらい。
関連:2019年版 オススメの定番MicroATXケース7種 – 浅く広くPCゲーミング
・おわりに
最近無意味にフルタワーやミドルタワーを内部スカスカで使用しているのを見る。
思考停止でATXを選ぶより、一度M-ATXでも十分じゃないか検討してみて欲しい。
でかくてカッコいい!もいいけど、コンパクトでオシャレがもっと流行るといいなと思う。
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