前回NH-U12Aでダメだった10900KをNH-D15で試しました。
虎徹はもちろんNH-U12AでもCinebench回すと90℃を越える10900K。
最強クラスと謡われるNH-D15で冷えるのかな?
前回の記事はこちら
虎徹Mark2 無限5 NH-U12Aで10900Kを冷やせるのか?空冷クーラー3製品テスト – 浅く広くPCゲーミング
目次
NH-D15仕様
Intel対応ソケット | LGA1200,LGA2011,LGA1156,LGA1155,LGA1150,LGA1151 |
AMD対応ソケット | AM2,AM2+,AM3,AM3+,AM4,FM1,FM2,FM2+ |
付属ファン | NF-A15 PWM 140mm×2 |
高さ | ファン無:160mm ファンあり:165mm以上 |
付属グリス | あり:NT-H1 |
対応ソケット
現行マザーボードでいうとAMDのハイエンド向けTR-4には対応していません。
Intelの最新400番台のLGA1200ソケットはLGA115x系と互換があるので、使用可能です。
高さについて
NH-D15のファン込みの高さは仕様上の165mm。
真ん中のファンは本来もう少し上側に取り付けです。
真ん中のファンだけなら画像のようにちょっと下にずらせばクーラー高さは160mmに収まるのですが、メモリ側のファンがメモリを避けるために少し上にずらさないといけない為、メモリの高さによっては165mm以上になってしまいます。
上の画像はヒートシンク付きメモリを使用した場合の画像です。
ちょっと大きめのヒートシンクなメモリを使っています。
ヒートシンクとファンが触れるレベルですが、ここまで近づけても恐らく165mmよりも少し高くなってるかと思います。
使用するケースの対応するCPUクーラーの高さと相談してメモリを選びましょう。
開封・付属品
外箱
左がNH-D15。
NH-U12Aの外箱もCPUクーラーでは大きい方ですが、NH-D15はさらに巨大。
Noctua製品は箱のデザインもかなりカッコいいです。
付属品
Intel用の取り付けベースやバックプレート
AMD用の取り付けベース
グリス
Noctua製のグリス。NT-H1というモデル。
単体販売もされていて1,000円以上するので結構嬉しいです。(容量は単体品より少ないかも)
分岐ケーブル
2つのファンを1つのコネクタで制御できます。
デュアルファンなので使うと制御が楽
LNA(LowNoiseAdaptor)
ファンケーブルとファンコネクタの間に入れるとノイズが低減するというアダプタ。
実のところ単なる電気抵抗で、これを使うと回転数が落ちるだけです。
PMW方式で回転数が制御可能な昨今、何のために入っているのかよくわかりません。
ロゴシール
Noctuaのフクロウのロゴのシール。
メタル製になっていて高級感があります。
ロングドライバ
L字型のロング+ドライバー。
市販のドライバーだとヒートシンクの固定ねじに届かない場合もあるので、
工具が付属しているのはありがたいです。
が、ヒートシンクの取り付けは下方向に押し付けながらやるのですが、このドライバーは下に押し付けて回すのが難しいです。
出来れば別で用意したほうがいいかも。
ヒートシンクを見る
左がNH-D15,右はNH-U12A。
NH-D15は本当はもう一つファンが付きます。
ツインタワータイプのヒートシンク。
そこまでバカでかい印象はありません。
NH-U12Aより一回り程度大きいって感じですね。
ヒートパイプは各6本ずつ。
メモリをかわす切り欠きがあります。
付属ファン
ファンはNF-A15 PWMというモデルが真ん中とフロントに付きます。
単体販売もされているモデルで1個3,000円くらいするので2個で6,000円相当。
追加で単体購入してリア側に付ければトリプルファンにも?意味は薄そうですが。
ファンの音について
自分は140mmファンを初めて使いました。
1200rpmくらいまで大分静かです。驚き。
全開の1500rpmだと流石に風切り音がしますがケースに入れればそこまで気にならないだろう印象。
ゲーム中なんかはそこまで温度も高くないので1000rpm程度なのでほぼ気になりません。
取付
今回はLGA1200ソケットなZ490マザーでの使用です。
LGA1151と寸法が一緒なのでその説明書通りに取り付けます。
マザー裏からバックプレートを付け。
バックプレートから出てるネジに
黒いプラスチックのスペーサーを入れ
その上に取り付けベースプレートを載せてネジで固定。
CPUにグリスを塗ったら。
ヒートシンクを載せて、ベースプレートにネジ留め。
片側を軽く締め付けたら反対がを締めるようにしましょう。
片側だけ思い切り締めると、反対側にバネが効きすぎて締めにくいです。
ファンを取付。取り付けはよくあるクリップ引っ掛け式です。
Noctuaのクリップは硬く無くて簡単につけ外しできます。
虎徹でお馴染みサイズのクリップはアホみたいに硬くて嫌いです。(振動防止としてはいいのでしょうか?
メモリ側はメモリに当たらない高さに調整しながら固定します。
今回はケースに入れないのでヒートシンク付きのメモリを使いました。
メモリにぶつかるほどファンを下げましたが、結構上側にファンがズレています。
これ高さ170mmくらいあるかも。
ファンをマザーに繋いで完成です。
10900Kで冷却テスト
検証環境
使用したパーツリストは以下の通り
CPU | i9 10900K |
GPU | AORUS RTX2080SUPER |
マザーボード | ASUS ROG Strix Z490 F-Gaming |
メモリ | G-Skill Snier X 3600 |
SSD | Samusung 860Evo |
電源 | Corsair RM1000X |
ケース | Streacom BC1 |
ケースといってもベンチ台なので、通常のケースの中よりは大分よい環境になっています。
メモリは手動で10900Kのメモリ定格である2933MHzに設定しています。
ファンの設定はマザーボードいくつか試そうかと思ったんですが、最高回転数に固定しました。(自動設定でも負荷かけてすぐ最高回転数になった為)
検証時の室温は30℃になります
検証方法
負荷として用意したのはCinebench R20のマルチスレッド。
大体1分くらいで負荷終了となります。
これを最大温度が変わらなくなるまで連続で回します。
テスト1 完全デフォルト
マザーボードの工場出荷状態でCPUの設定はデフォルトです。
ただ、メモリクロックを定格の2933に設定してファンは全開にしています。
結果
最大温度83℃
スコア:6073
80℃はオーバーしました。
が、これまでテストしてきた空冷クーラーは一番冷えたNH-U12Aでも93℃だったので10℃も冷えています。
残り5秒くらいのところで電力制限が発動してクロックが4.3GHzまで落ち、温度も60℃台に落ちています。
この後も途中でクロックダウンするので温度も83℃が最大でした。
テスト2電力制限解除
テスト1のように、10900Kのターボブーストの仕様は、デフォルトだと53秒で4.9GHzからダウンします。
BIOSにて電力制限を倍にすれば実質無制限になり、この53秒の制限に掛からなくなります。
(詳しくは説明しません。分かる人以外は触らないでください)
その状態で最大温度が変わらなくなるまでCinebenchを連続で回し続けました。
最大温度84℃
スコア:6298
もうちょっと行くかなと思いましたが、84℃からは上がりませんでした。
4.9GHzでの運用ならNH-D15で問題なさそう?(ケースに入れてみないと分かりませんが)
テスト3 5.1GHzに固定
4.9GHzに耐えれたので、電力制限を解除したまま5.1GHzにOCしてテストしてみました。
コア電圧は1.35Vにしています。1.33だとベンチ3回目くらいでエラーが出ました。
最大温度90℃
スコア:6448
流石に90℃を達成。
それでも4.9GHz時のNH-U12Aよりは冷えています。
スコアも100以上アップしてはいますが、これで使用するのは少し怖いですね。
おまけ室温24℃の場合
上の検証だと室温30℃でしたが、クーラーをつけて室温を24℃にした場合、
テスト2と同じ4.9GHzキープで79℃でした。
冬ならかなり安心して使えますね。
VRM温度
CPUクーラーとはあまり関係ありませんが、ROG Strix Z490 F-GamingのVRMは5.1GHzでぶん回しても60℃程度でした。
NH-D15のファンの風があたるのが大きいのかかなり冷えてるかと思います。
まとめ的な
ようやく10900Kを冷やせるクーラーにたどり着けました。
実売1.2万円とそれなりに高価ですが、十分に冷えてくれます。
音もそれなりに静かなのもよいですね。
惜しむらくはやはり最低165mmという高さ。
ケースの選択肢が非常に狭まってしまいます。
大きいヒートシンク付きのメモリだと更に・・・
ROG Z490 APEXならメモリスロットが2本かつCPU側に寄ってるのでもしかすると高さ160mmに収まる可能性もあるので、そのうち試してみます。
ちなみにファン込みで高さ160mmのNH-D15Sというモデルもあるのでそれにした方が良かったかも知れませんw
関連記事:虎徹Mark2 無限5 NH-U12Aで10900Kを冷やせるのか?空冷クーラー3製品テスト – 浅く広くPCゲーミング
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